目まぐるしく変わる天気が過ぎ、週末には真夏日の天気予報が出ている今日は、いつもの映画館のいちばん小さなシアター、いちばんいい席で『希望の灯り』を観る。
旧東ドイツで、無口な青年が巨大スーパーの在庫管理係として働き始める。仕事を教えてくれる中年男性や、魅力的な年上女性。同僚たちはみな素朴で風変わりで、そして優しい。ベルリンの壁崩壊後、時代に置き去りにされた人々に寄り添い、小さな幸せに灯りをともす哀切の物語。
コバルトブルーが制服をはじめ要所要所に出てくるのが、東欧の、また、静かな映画の特徴かなとは、観る数だけはこなしてきて故の気づきかもと。幾度か転換するストーリーさえも、ベースが静かに進んである故に、優しく取り込まれている。
月末までの会員の更新をやっぱりしたくなる、そんないい映画を観た。