夏至も過ぎ、日に日に夜が長くなっていく。
清少納言の枕草子では、満月の月明かりや、闇、蛍の光などに、趣を感じるとあるが、こちらは夜の始まり、オレンジから群青に変わる空に趣を感じる。
そんなある日の構内の帰宅路。
暑さを持て余したかのような明るさと暗さが混ざり合っているところに咲く赤い花が目に眩しい。
少し前まで図書館で新聞を読んでいる頃の空。
一瞬にして夜の始まりの空に変わる。
夏の空、夏ならではの空。それは、夜の入り口を告げる日中の暑さ、明るさを含みながら、少しずつチカラを失くしていく空。暑さ、明るさのコントラスト差が大きいほどに、趣を感じる。