盆の入りの朝、亡くなった母が珍しく夢に出てきたのは、その日に帰省していないから、かもしれない。
山越えまではいつもの帰省で、途中から左に大きくそれる最短の道を選び、無料の高速道に乗り、県境の町まで。海岸と並行に走る6キロのトンネルは、海が近くにあることを忘れ、SFチックになる。
そうして蕎麦屋に入れば、窓越しにはそば打ちに使う水が湧き出ている泉が見える。(マイカーも少し見える)
久しぶりの「生そば 大清水(おおしみず)」
メニューは決めていた!
そねそば。1枚で3人前とちょうどいい。そねとは、この地方で浅い木箱のこと。重ねられるタイプを指す。ちなみにすぐそばの県境を越えれば、へいぎ、となり、ここから、名物のへぎそばとなる。同じもの。
茹でたそばを水を切らずにひねりながら並べる様は波🌊の模様を表しているとも。
少し表面がざらついた麺を甘めのつゆで食べれば、その食感も含めて、田舎の美味しいそばを感じることができる。
目の前にある湧き水に触れてみる
キリリひんやりとした指先に変わる
せっかくの機会、郊外学習もしてみる。
水かさを増した温海川の向こうに朱塗りの橋が見える。
そこには、一転、若者向けの名物スポットがあるのだった。続く