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2020年No.1!かも?の映画『ブリング・ミー・ホームー尋ね人ー』を観る

水曜日の疲れを癒すのは映画かもしれない。いつものシアター、今回は2番目に大きいスクリーンの最後列で、映画『ブリング・ミー・ホームー尋ね人ー』を観る。

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(以下、公式サイトからあらすじ)

ソウルの病院で看護師として働くジョンヨン(イ・ヨンエ)。6年前、当時7歳の息子ユンスが公園で失踪し、夫のミョングク(パク・ヘジュン)と共に捜し続けている。
夫婦で支え合いながら日々を送る中、捜索中に悲劇的な事故が起こる。突然の出来事に、憔悴しきるジョンヨン。そんな彼女の元に、ユンスの目撃情報が寄せられる。桃のアレルギー、耳の後ろの斑点、やけどの痕、そして足の小指の副爪(ふくそう)――。目撃された少年とユンスの特徴は一致しているようだ。その情報に一縷の望みをかけ、ジョンヨンは、ユンスに似た少年・ミンスのいる《マンソン釣り場》へと向かう。
釣り場を営むのは、老夫婦と、夫を亡くした女性と息子の親子、そして何名かの従業員たち。しかし、彼らに尋ねても「ミンスなんて少年は知らない」の一点張り、さらに、地元警察のホン警長でさえ、ミンスの存在を隠そうとしているかのようだ。
引き下がれないジョンヨンは、その夜、一家が寝静まった頃を見計らい釣り場の一角にある家に侵入するが…。

というもの。

子を思う親の母の純粋な気持ちの気高さの一方で、時には狂気にも駆り立てる人間の怖さ、この両極端を、韓国の暗部を絡めながら描いている。

主人公は、旧作「親切なクムジャさん」の冷鉄にならざるを得なくなった人の復讐劇を描いた主演作の印象は、上手くそのまま引き継いでいて安心した。そこから14年の歳月が過ぎての本作も期待を裏切らなかった。

人の心情を真正面からまっすぐ描く韓国映画。怖いとも思えるが、そこから目を逸らしてはいけないような気もして、ある種の覚悟を強いられる時もある。それでも観たい魅力が映画大国韓国にはある。そのためか、日本映画のようなやや息抜きシーンがあったり、真ん中から少し外れた優しさを混ぜて主人公を守るというか擁護するような映画に出会うことは、まだない。

2020年のベストワンかもしれない。そんな作品だった。と同時にこれを超える作品に出会いたくもなるソワソワ感。

こうして、年内、残りひと月半となっていく。