徒然ブログ 風まかせ筆まかせ

日々の気づきと雑感 食べもの、映画、本に天気が多いです

読了 外山滋比古著『忘れる力思考への知の条件』から、知の断捨離の必要性を感じる

図書館の予約本がドドっと配送されてくる。頭寒足熱のような暖かさと冷たさの混じった天気と風の中で、読み終えた。

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気になる箇所を拾うと、

・記憶は、物を食べるのに当たる。頭がいっぱいでは、新しい記憶の入る余地がない。新しいことを迎え入れようという気もおこらないだろう。まず、頭を空腹の状態にする必要がある。空腹な頭は、新しい記憶を喜んで迎え入れる。

・「忘却先行」が正常なのである。それを知らずにどんどん増やせば、頭は記憶過多になる。知的メタボリック・シンドロームである。

・忘れようとしなくても、自動的に忘れるようになっているのは、それだけ重要な作用だからである。呼吸とか心臓の脈拍も自動的だが、これは生命にかかる最重要な作用だからである。

・活発な忘却によって、頭の中のゴミ、ガラクタを処分してしまえば、頭には広々とした自由空間ができる。そこで独自の考えを生み、育てることができる。

・「よく学び、よく遊べ」が、「よく記憶し、よく忘却せよ」ということであるのに思い当たる。

・遊んでいるあいだの忘却によって、記憶の一部が欠落する。つまり忘れるのである。この忘却を経由した知識が、その人間にとって、力をもった知識となる。

・また暗記した知識は、一時的にしか役に立たない。忘却をくぐり抜けたあとに残った知識が、その人間をつくる。

・忘却が時とのコンビで、元の生活体験を昇華させる。風化させ、変質させて、経験になるのである。多くの楽しい生活の記憶は、忘却によってうすめられるから、経験となることが少ない。

・苦難、苦しみは強い力をもっているこら、簡単には消えたりしないで、忘却の波を何度もくぐり抜けて生きのこる。

・元になる体験はこどものとき、若いときにしておく必要がある。年をとってからの苦しく悲しい体験は、経験になるまで待つことができなくて、ただの不幸に終わりやすい。

といったもの。

覚えるために忘れるのではなく、忘れて整理したところに新たに知識入れるというもの。時には、寝かせることも重要だということも考えさせられた。

人との会話で、あれを思い出せないという人がいると、「忘れていいものはそれまでのもの。残されし記憶が覚えておきたいものだから、いいんでないの」と返していたのは、案外、的を得ていたなあと感心感心、自画自賛

連休で断捨離という人も多い中、知識の断捨離も代謝アップには必要と感じた。

モノの断捨離は目に見えるが、見えない内的断捨離もそのうち、なんらか成果が出れば!とは皮算用なりかな。