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日々の気づきと雑感 食べもの、映画、本に天気が多いです

映画『靴ひも』を観て、親子愛や個性としての障がいを考えた

土曜の午前、少し寒いが、その響きだけでも気持ちいい。

12月初の映画を観に、いつものシアターへ。オープン前からの列は、クリスマス映画が封切りのせいだろうの想像は、ジャニタレ映画の舞台挨拶中継付きの結果に落ち着いた。

そうして、いつもの最小スクリーンで、いつもの最後列に座る。

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あらすじは、以下、公式サイトから

一度は家族を捨てた父親。
息子との約30年ぶりの共同生活は、せつなくも愉快な発見の連続。
完璧な人なんていないし、人はいくつになっても成長する。
世界で大きな感動を呼んだ、心揺さぶる大人の親子の物語。

母の突然の死により、同じ屋根の下で暮らすことになった父と息子。息子は明るく誰に対してもフレンドリーな一方で、食べ物の配置から眠る前の儀式まで生活習慣へのこだわりが強く、苦手なことも多い。父はそんな息子にどう接したらいいかわからない。さらに長年、子育てから逃げていた負い目もあり、戸惑ってばかり。そんな二人がようやく打ち解けた頃、息子は病を抱える父にあることを提案するが、父は愛ゆえにそれを拒むのだった──。
複雑で普遍的な親子の愛憎と、予測のつかない展開で本国イスラエルアメリカで大きな感動を呼んだドラマがついに日本上陸!なおタイトルの「靴ひも」は、息子の苦手な動作の一つである「靴ひもを結ぶこと」を指しており、本作では父子の関係の変化と成長の象徴として三度登場する。三度目の靴ひものシーンがもたらす展望は、観る者すべての心にあたたかい光を灯すに違いない。

というもの。

 

目に見える障がいもあれば、主人公は目に見えない、見えにくい障がい者

自身のタイプを自覚していて、ゆえに悩んで自分が嫌だったり、親にも申し訳ないとはわかってはいる。一方、数十年ぶりに再会する息子に手こずるも、心の底では愛している父が、徐々に息子を理解し受け入れていく様子が良かった。

劇中、自分は障害者じゃなくてサポートが必要な人、と主人公が話すシーンが心に残る。

その人なりのパフォーマンスを発揮することがベストで、そのためには、発揮できる環境とサポートが必要と強く思った。

結果は、双方望むものにはならなかったが、気持ち強く持つ大切さを教えてくれる映画だった。父と子の愛情劇に子の障がいを絡ませて、ふたつの要素を上手に表現していた。イスラエル映画もいい。

最後の離別に至る前の会話や離別後の息子の気持ちに、自分の身なら、と相変わらず重ねてしまうクセ。

いつもならそのまま涙となるのだろうが、なぜかそこて踏ん張り泣かない事を選んでいた。それは、映画で泣いていたら、現実ならもっと……などと考えたから。と、結局、映画を自分ごとや現実に置き換えて見てしまうという、いつものパラドックスにハマる。それもアリだろう。

どうやら、前回、今年ナンバーワンと書いたこの記事の映画を上回ったような。

https://kazukun2019.hatenablog.com/entry/2020/11/12/190000

流行語大賞の2020年版は決定したが、映画の方は、この先も混戦が予想される。